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Michael付加反応についてどこよりも詳しく解説!

Michael付加反応は、有機化学で広く知られる反応の一つで、エノラートなどの求核種がα,β-不飽和カルボニル化合物(Michaelアクセプター)に付加する反応です。

本記事では、Michael付加反応の仕組みや応用例、そして条件について詳しく解説します。


目次

Michael付加反応とは?

Michael付加反応は以下のような一般式で表されます:

\(
\text{Nu}^- + \text{R}_1\text{-CH=CH-C=O-R}_2 \rightarrow \text{R}_1\text{-C(Nu)-CH}_2\text{-C=O-R}_2
\)

ここで:

  • Nu⁻:求核剤(エノラート、アミン、チオールなど)
  • R₁-CH=CH-C=O-R₂:α,β-不飽和カルボニル化合物(Michaelアクセプター)

この反応では、求核剤がアルケン部分(C=C)に付加し、β位に結合します。このため、「1,4-付加反応」とも呼ばれます。


反応機構

ステップで見ると

STEP
求核剤の生成

多くの場合、求核剤(Nu⁻)は塩基によるプロトンの除去などで生成されます。例えば、カルボニル化合物からエノラートが形成されます:

\(
\text{R-CH}_2\text{-C=O} + \text{Base} \rightarrow \text{R-CH=CH-C(O)}^-
\)

STEP
Michaelアクセプターへの付加

求核剤がα,β-不飽和カルボニル化合物のβ位を攻撃し、炭素−炭素結合を形成します。

STEP
中間体の安定化(&求核剤の再生成)

付加後に生成されるエノラート中間体は、プロトン化または異性化を経て安定な付加生成物を得ます。

具体的に図で書くと

具体的に図で書くとこんな感じです。

反応の特徴

1. 反応性

Michael付加反応は、特に以下の条件下で進行します:

  • 求核剤:エノラート、アミン、シアン化物イオン、またはチオールなど。
  • アクセプター:α,β-不飽和カルボニル化合物(例:エノン、エステル、ニトリル)。

2. 1,4-付加と1,2-付加の競合

求核剤の性質や反応条件によっては、1,2-付加(カルボニル炭素への付加)が起こる場合もあります。

しかし、比較的安定なアニオン性求核剤と反応する場合には、比較的高エネルギーのアルコキシドが生成するため、可逆的です。

一方で1,4付加は共役安定化されたエノラートイオンを生成するので熱力学的に有利というわけです!



3. 実験条件について

塩基性条件

エノラートを生成するため、弱塩基(例:NaOH、K₂CO₃)や強塩基(例:LDA)が使用されます。

酸性条件

チオールやアミンのような求核剤を使う場合、酸性条件下でもMichael付加が進行します。

溶媒

溶媒には極性溶媒(DMF、DMSOなど)が用いられます。特に溶媒の選択は、反応速度と生成物の選択性に影響を与えます。

練習問題

練習問題も作ったので良ければ解いてみて下さい。

問題

プロパン二酸ジエチルと3-ブテン-2-オンのMichael付加の反応機構を電子の矢印を用いて書け。

ただし、触媒として、ナトリウムエトキシドを少量用いている。

解答

解答は以下の通りです!

求核剤の生成→1, 4付加→エノラートイオンのプロトン化(および求核剤の再生成)の順に進行していますね!

まとめ

Michael付加反応は、有機化学において重要なC-C結合形成反応です。

その反応性と選択性により、合成化学や材料化学、生化学など幅広い分野で応用されています。本記事で紹介した反応機構や条件を理解することで、さまざまな応用分野でMichael付加反応を活用できるかもしれません!

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