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クレーガービンクの表記法について詳しく解説!

クレーガービンクの表記法(Kräger-Vink notation)は、固体中の欠陥を表現するための記法です。

主に固体物理学や無機化学、材料科学などで使用され、結晶中の格子欠陥(空孔やドーパント原子など)を記述するのに使われます!


目次

クレーガービンクの表記法のルール

クレーガービンクの表記法では、次の3つの要素を組み合わせて欠陥を表します。

  1. サイトを占める元素(A)
    • 原子やイオンの種類を表す。
    • 例:V(空孔)、O(酸素)、Zn(亜鉛)
  2. 格子中のサイト(B)
    • どの位置に存在するかを示す。
    • 例:\(O_Ti\)(チタンの格子サイトにある酸素原子)
  3. 電荷(C)
    • 実際の電荷とホスト格子の通常の電荷との相対的な電荷を表す。
    • 超過正電荷(ドット)
    • 負電荷(プライム記号)
    • 中性×(バツ記号)

具体例

1. 酸素空孔 \(\text{V}_\text{O}^{••}\)

  • 解釈:酸素格子サイト(O の位置)に酸素が抜けて空孔ができた(V = vacancy)。
  • 電荷:酸素イオン(\(O^{2-}\))がなくなることで、正に帯電(••)。

2. チタンイオン置換 \(\text{Al}_\text{Ti}^{‘}\)

  • 解釈:チタン格子サイト(Tiの位置)にアルミニウムが置換された。
  • 電荷:チタン (\(\text{Ti}^{4+}\)) の代わりにアルミニウム (\(\text{Al}^{3+}\)) が入ったため、1つの負電荷が余る()。

3. 自己格子間原子 (\(\text{Ti}_i^{••}\))

  • 解釈:チタンが通常の格子サイトではなく、格子間に入り込んだ(自己格子間原子)。
  • 電荷:\(\text{Ti}^{4+}\) の余分な正電荷が生じるため、2つの

まとめ

記号意味
\(A_B^{C}\)A(粒子)が B(格子サイト)にあり、電荷は C
正電荷(元と比較して)
負電荷(元と比較して)
×中性

クレーガービンクの表記法は、イオン性結晶中の欠陥を体系的に表すのに便利な方法です。特に、ドーピングや格子空孔を考慮した固体電解質や半導体の解析に広く用いられています。

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