高分子化学の世界では、いかにしてモノマーから高分子量のポリマーを合成するかがとても重要ですが、今回は重縮合で高分子量のポリマーを合成する条件について書いていきます。
目次
条件(全部で4つ)
平衡
まずは平衡についてです。
重縮合では、縮合をすることで生成する水などの低分子化合物により、平衡が逆反応側に傾いてしまいます。
そのため、そういった低分子化合物を加熱や減圧により取り除くことが必要です。
重合率(反応度)
続いて重合率です。
これは単純で、反応度を出来るだけ高くしよう、というものです。
重縮合では、数平均重合度 Pn は反応度 p を用いて以下の式で表されます。
\( P_n = \frac{1}{1-p}\)
よって、反応度を高くすることが極めて大切です。
ちなみに、全体の50%が反応する、つまり反応度がp =0.5 のとき、上の式を用いれば Pn=2 となり、平均重合度が2という結果になってしまいます。
重縮合で得たいのはポリマーなので、平均重合度は少なくとも100はないと話になりません。
仮に平均重合度を100にしたければ、反応度は0.99、つまり99%が反応しなければならないということになります。
モノマーの組成比と純度
モノマーの組成比と純度も大切です。
官能基のモルバランスを揃えて、正確に等モル用いることが必要です。
環化反応を起こさないこと
最後の条件です。
環化反応が起きれば、重縮合がストップしてしまうため、環化反応を起こさないことも大切です。
鎖状ポリマーの生成は環状ポリマーの生成と平衡状態にあります。
よって、低分子環状化合物が出来ないよう、アルキル基の長さなどを調整することが必要になります。
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