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炭酸は水触媒がないと分解して水と二酸化炭素にならない!【反応機構も】

実は、炭酸は水触媒がないと分解して水と二酸化炭素にならないって知ってましたか?

炭酸は普通は1分子の水と1分子の二酸化炭素に分解しやすい不安定な化学種とみなされますよね。

でも、水が全く存在しない条件下に限っては、炭酸は完璧に安定で単離可能なんです!

水がどう反応に関与するのかを反応機構から説明したいと思います。

目次

反応機構

反応機構の図

具体的には、このように進行します。

キーワードは六員環遷移状態

反応機構をよく見てみると、水と炭酸が六員環構造みたいになっているのが分かります。六角形みたいな部分がありますよね!

これが反応が進む原因になっていて、比較的安定な六員環遷移状態を通ることでぐっと反応しやすくなっています。

同じような反応機構で「3-ケト酸の脱炭酸」があるので、よければこちらものぞいてみて下さい。

ちょっと応用

六員環遷移状態を取れる時、水が脱炭酸の触媒となることがわかりました。

せっかくなので応用問題にも取り組んでみてください!

応用問題

水は次の3つの化合物の脱炭酸を触媒できるでしょうか?

ヒントは、水が触媒できるかは六員環遷移状態を取れるかどうかで決まるということです。

答え

答えは以下のようになります。

炭酸のモノエステルとカルバミン酸は水の触媒によって脱炭酸できますが、

炭酸のジエステルは水は脱炭酸の触媒になりません。

炭酸ジエステルはO-H結合がないので、他の2つと違って反応が進まないのですね。

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