「分子の自由度」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
初見だと、「自由度?」ってなってしまいがちですよね。
ということで、この記事では
- 分子の自由度とは何か
- 分子の自由度の求め方
この2つを解説していきます!
この記事ではエネルギー等分配則までは扱っていません!すいませんm(__)m
分子の自由度とは?
まず、ウィキペディアの説明を見てみましょう。
自由度(じゆうど、英語: degree of freedom)とは、一般に、変数のうち独立に選べるものの数、すなわち、全変数の数から、それら相互間に成り立つ関係式(束縛条件、拘束条件)の数を引いたものである。
自由度 – Wikipedia
これだけの説明ではいまいちピンと来ないかもしれないので、補足すると、
(ここでいう)自由度とは、その物体の運動の情報を決めるために必要な変数の数です。
…まだピンと来ない人も多いと思います。大丈夫です。
分子の自由度についてさらに詳しく言うと、分子の自由度は
並進・回転・振動
の3つからなります。
並進の自由度
並進の自由度とは、その分子が持ってる速度(ベクトル)を決めるために必要な変数の数です。
当然ですが、速度はx方向, y方向, z方向の成分からなるので、
並進の自由度は常に3になります!
回転の自由度
次に回転の自由度です。
回転の自由度は分子の形によって少し変わってきて、
直線分子なら2、非直線分子なら3になります。
非直線分子のときは、x, y, zの3方向にどのように回転しているかが決まらないと分子がどのように回転しているかが決められません。
一方、直線分子なら2つの情報で済みますよね。分子の軸を中心に回転しても分子の位置は変わらないからです。
鉛筆をxy平面, yz平面, zx平面でグルグル回してみるとイメージがつかみやすいと思います!
振動の自由度
振動の自由度は少々複雑です。結論から言うと、n個の原子からなる分子に対して、
直線分子なら3n-5、非直線分子なら3n-6になります。
詳しい理由は割愛しますが(すいません)、
覚え方としては、
n個の原子からなる分子の自由度の合計が3n個
になることを覚えておいて、そこから並進と回転の自由度を引いたものが振動の自由度です。
\(3n – 3 – 2 = 3n-5\)←直線分子
\(3n – 3 – 3 = 3n-6\)←非直線分子
で確かに合っていますね。
練習問題
今までのことを踏まえて、最後に問題を解いて確認しましょう!
問題
次の分子の並進・回転・振動の自由度を求めなさい。
分子 | 並進 | 回転 | 振動 |
---|---|---|---|
\(\ce{He}\) | |||
\(\ce{CO2}\) | |||
\(\ce{NH3}\) | |||
\(\ce{CH4}\) |
答え
分子 | 並進 | 回転 | 振動 |
---|---|---|---|
\(\ce{He}\) | 3 | 0 | 0 |
\(\ce{CO2}\) | 3 | 2 | 4 |
\(\ce{NH3}\) | 3 | 3 | 6 |
\(\ce{CH4}\) | 3 | 3 | 9 |
自由度の和が3nになることをうまく使いましょう!
今回はこれで以上!!!
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