今回扱うのは「遷移状態理論」です。
僕は名前だけはかなり初期の方で習った記憶があります。
それでは解説していきます!!!
遷移状態理論とは
まず、厳密な定義はこのようになります。
反応において活性錯合体の存在を想定して、活性錯合体が存在する遷移状態の振る舞いに関する物理化学的理論体系を遷移状態理論と呼ぶ。
遷移状態理論による熱力学的な解析により、立体因子と活性化エネルギーが持つ意味や反応機構の物理学的妥当性を明確にすることができる。
反応速度論 – 遷移状態理論 – わかりやすく解説 Weblio辞書
また、遷移状態理論の元になっている考え方は下の3つです。
遷移状態理論の背景にある基本的な考え方は以下の通りである。
1.反応の速度は、ポテンシャルエネルギー面の鞍点近くの活性複合体(活性錯合体)を調べることによって研究することができる。これらの複合体がどのように形成されるかの詳細は重要ではない。鞍点それ自身が遷移状態と呼ばれる。
2.活性複合体は反応物分子と特別な平衡(擬平衡)にある。
3.活性複合体は生成物へと変換でき、この変換の速度を計算するために運動論を使用することができる。
遷移状態理論 – Wikipedia
・・・正直分かりにくいですよね。もしこの説明を理解できるならあなたは才能があります。
できるだけ分かりやすく説明していきます
概要
遷移状態理論は2つの仮定を認めることでできます。
例として、\(\ce{\large{A + B -> C^{*} -> P}}\) (\(C^*\)は遷移状態)
の場合を考えていきます。
仮定1
一つ目の仮定は、
反応の途中の状態(遷移状態)で、活性な中間体が生成消滅している、ということ
つまり、\(\ce{A + B <-> C}\) の平衡が成り立っている
ということです。こっちは簡単ですね。
仮定2
もう一つは、
「障壁を越える錯体の平均速度」が錯体の特定の振動数に比例する、ということです。
式に直すと、反応速度\(v = k^* \times [C^*] = \kappa^* \times \mu^* \times [C^*]\)
バネが激しく振動していたら結合がブチッって切れやすいですよね!
とりあえずこの2つの仮定を覚えてください!
コメント