高分子(ポリマー)は、分子量や構造によって大きく性質が変化する物質群であり、多くの産業分野で利用されています。本記事では、高分子の一般的な特徴を解説した後、特に透明性について詳しく説明します。
目次
高分子の特徴
分子量による性質の変化
高分子の性質は分子量(M)によって劇的に変化します。
- M < 10³:低分子量のワックスなどは軟らかく、流動性が高い。
- M ~ 10⁶:高分子量になると、硬く強度のある固体(例:ポリエチレン製の釘)となる。
このように、同じ化学組成を持つ物質でも、分子量によって性質が大きく変わることが高分子の特徴です。
ガラス転移温度(Tg)
ガラス転移温度(Tg)は、高分子の柔軟性が大きく変化する温度を指します。
- T < Tg:高分子は硬く脆い状態(ガラス状態)。
- T > Tg:柔らかく、ゴムのような弾性を持つ(ゴム状態)。
例えば、天然ゴムは室温では柔軟ですが、低温では硬くなることが知られています。
分子量分布と結合性
高分子は分子ごとに重合度が違うので、単一の分子量を持つわけではなく、ある程度の分布を持っています。
上にもある通り分子量でその分子の物性が変わってくるので、分子量分布が広いと物性が制御しずらくなり、欲しい物性のものが得られなくなります。したがって、分子量分布を以下に制御するかがすごく重要です。
なお、分子量分布は、「(重量平均分子量)÷(数平均分子量)」で表すことが出来ます。
粘弾性の特性
多くの高分子は「粘性」と「弾性」を併せ持つ典型的な粘弾性体です。
- 粘性(流動性を持つ):時間とともに変形する。
- 弾性(元に戻ろうとする力):即時的な変形に対して復元する。
これにより、ゴムのように柔軟な性質を示すものから、プラスチックのように硬くて変形しにくいものまで多様な材料が作られています。
コメント