ルイスの定義では、酸・塩基は硬い酸・軟らかい酸・硬い塩基・軟らかい塩基に分類されます。
「酸・塩基に硬いも軟らかいもあるかい!!!」って思ってしまうのは誰もが通る道ですよね。
もともとは違った名前だったようで、単に”クラスa”と”クラスb”に分けられていたのを一般化して印象に残るように名前を付けたのが”硬い・軟らかい”酸と塩基だそうです。
今回の記事では、そんな酸・塩基の分類について書いていきます!
重要なポイント
ポイントその1
硬い酸・塩基は
- 半径が小さい
- 分極しにくい
- 大きな電荷を持つ
傾向がある
例を挙げると、
ハロゲン化物イオンの硬さは、
\(\ce{F- > Cr- > Br- > I-}\) の順であり、(半径の小さい順)
金属イオンに関しては、
硬い酸:\(\ce{Li+, Na+}\)(←半径が小さい) 、\(\ce{Al3+, Cr3+}\) (←価数が大きい)
軟らかい酸:\(\ce{Au+, Ag+, Hg+}\)
の様になっています。
ポイントその2
硬い酸は硬い塩基と、軟らかい酸は軟らかい塩基と結合しようとする
この性質を用いれば、無機化学におけるいくつかの問題を合理的に説明できるようになります。
例えば、自然界では\(\ce{Li+, Mg2+, Cr3+}\)のような硬い酸は、硬い塩基である\(\ce{O2-}\)と結合していることが多いです。
このほかにも反応の方向を予測したり錯形成を考えたりするのに役立ちます。
ポイントその3
硬い酸と硬い塩基の結合は静電気的
軟らかい酸と軟らかい塩基の結合は共有結合性
この理由は分子軌道論を用いることで説明できるのですが、難しいので省略します。すいません。
ちなみに軟らかい酸と軟らかい塩基の共有結合性の相互作用はすごく弱いので注意が必要です!
まとめ
今回の要点をまとめます!
硬い酸・塩基は
- 半径が小さい
- 分極しにくい
- 大きな電荷を持つ
傾向がある
硬い酸は硬い塩基と、軟らかい酸は軟らかい塩基と結合しようとする
硬い酸と硬い塩基の結合は静電気的
軟らかい酸と軟らかい塩基の結合は共有結合性
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