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大学化学
変分法で基底状態のエネルギーと波動関数を求める方法をわかりやすく解説!
変分法は、摂動論と並ぶ、厳密に解けない波動関数を近似的に解く方法の一つです。 摂動論を使う方法については下の記事で解説しています。 早速ですが、実際に問題を解いていきます! 問題 波動関数の単純で特別な場合として、試行関数\(\large{\phi = c_1... -
大学化学
【量子力学】傾いた箱の中の粒子のエネルギーを摂動論を用いて求める方法
シュレディンガー方程式が厳密に解けない系であるとき、量子力学を適応するための2つある方法のうち、片方が「摂動論」です。(もう一つが変分法) 今回はこの摂動論を実際に使って、傾いた1次元の箱の中の粒子のエネルギーを求めてみます! 問題 底が傾... -
大学化学
スチルベンは、室温と違い液体窒素温度では光照射で強い蛍光を示す理由!!
スチルベンとは、以下の構造を持つ有機化合物です。 シス体とトランス体がありますが、これはトランス体の方ですね。 このスチルベンは室温では光で蛍光を出さないのに、液体窒素で冷やすと蛍光を発します。 この理由を解説します!! スチルベンが液体窒... -
大学化学
水素原子モデルで、2s→2p軌道間遷移が禁制遷移で起きない理由を解説!!
水素原子モデルで、2s→2p軌道間遷移が禁制遷移で起きない理由を解説します。 今回大切なことは、【水素原子モデルで】の部分です。 つまり、2s→2p軌道間遷移が禁制遷移になるのは水素原子モデルのとき限定です!! その理由を解説していきます...! 水素原... -
大学化学
水素原子モデルで、1s→2s軌道間遷移が禁制遷移になる理由をちょこっと解説
水素原子モデルでは、1s→2s軌道間遷移は禁制遷移です。この理由を解説します。 1s軌道の概形 s軌道のつもりで載せました。 分かりにくかったらすいません。 こんな感じで、s軌道は球状で、x軸, y軸, z軸すべてで対称です。 1s軌道も2s軌道もこんな形をして... -
大学化学
プランクの法則・Wienの式・レイリーの式の関係を近似で導出!!
物理化学の黒体放射のところで出てくるプランクの法則・Wienの式・レイリーの式の3式の関係を解説していきます! それぞれの式の形 まず、確認のために、それぞれの式の形を載せておきます。 ①プランクの式 \(\Large{d \rho = \frac{8 \pi a_1 \nu^3} {c^... -
大学化学
リンドラー触媒(Lindlar触媒)の反応を解説!
主に有機化学で用いられるリンドラー触媒について解説していきます! リンドラー触媒とは 高校化学で、「アルキンに水素を付加するときは、アルケンの時と違って、触媒がいる。」ってことを習った人もいると思います。 そのため、前提として、アルキンの水... -
大学化学
エタン、エチレン、アセチレンの酸性度の違いの理由を解説!
エタン、エチレン、アセチレンはそれぞれ酸性度が違って、 アセチレン>エチレン>エタン の順番ですが、この理由を解説します。 【理由】3つはそれぞれ違う混成軌道をとるから エタンはsp3混成、エチレンはsp2混成、アセチレンはsp混成ですよね。 つまり... -
大学化学
アニオン重合とカチオン重合の反応を分かりやすく解説!!
高分子を学ぶと、アニオン重合とカチオン重合(あとラジカル重合と配位重合)の重合について学ぶことになると思います。 ラジカル重合はラジカルを使った反応でイメージしやすいし(ただし反応は複雑)、配位重合も高校で学ぶポリエチレンテレフタラート(... -
大学化学
【SN1, SN2, E1, E2】求核材とアルカンでどの組み合わせがどの反応になる?
有機化学で習う置換反応と脱離反応で、SN1, SN2, E1, E2の4つの種類の反応を習います。 まずはそれぞれどういう機構で反応が起こるのか学んだあと、具体的にある求核材とあるアルカンを使ったときどんな反応が起こるのか(または反応が起こらないか)を自...