この記事では、固溶体をクレーガービンクの表記法で表すことについて解説します。
クレーガービンクの表記法がよくわからないという方は、以下の記事を一度見てみて下さい。
クレーガービンクの表記法について詳しく解説!
クレーガービンクの表記法(Kräger-Vink notation)は、固体中の欠陥を表現するための記法です。 主に固体物理学や無機化学、材料科学などで使用され、結晶中の格子欠陥…
目次
例①:ZrO2にCaOを添加したとき
まず、ZrO2にCaOを添加したときを考えてみます。
この時、Zr4+と2O2-がCa2+とO2-になったと考えられるので、クレーガービンクの表記法で書くと以下のようになります。
\(\Large{CaO→Ca_{Zr}^{”} + O_{O}^{X} + V_{O}^{••}}\)
例2:ZrO2にY2O3を添加したとき
次に、ZrO2にY2O3を添加したときを考えてみます。
上と同様に、2Zr4+と4O2-が2Y3+と3O2-になったと考えられるので、クレーガービンクの表記法で書くと以下のようになります。
\(\Large{Y_{2}O_{3}→2Y_{Zr}^{‘} + 3O_{O}^{X} + V_{O}^{••}}\)
なお、金属イオンの数を合わせるためにZrO2ではなく2×(ZrO2)として考えます。
酸化物イオン電導性が発現する理由
固溶体によっては、酸化物イオン電導性が発現することがあります。
その理由ですが、酸素欠陥により、酸素空孔が形成されるためです。
実際、例①と例②の両方で酸素欠陥が出来ていますよね。
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